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金融機関に向いている学生、採用担当者が採用したいと思っている学生とは

2015年03月23日
タイトルライン
朝日新聞デジタル 2015年3月21日12時07分 より抜粋

金融機関に向いている学生、採用担当者が採用したいと思っている学生とは、どんな資質を持った人材なのでしょうか。ホンネに迫りました。




――金融業界に向いている学生、採用したい学生とは

 「『環境の変化に強い人』ということが重要だと思います。仕事をしていると、実は外部の環境に左右されることは多い。あれさえなければ、うまくいくのに、これさえなければ、契約がとれたのにと。しかし、それを乗り越えないと、お客様の期待には応えられなし、自分の達成感や満足度も上がらない。変化を前向きに捉えられる人が結構大事です。『環境の変化』とは、つまり、対応能力と柔軟性。細かいことはあまり気にしないのも重要です。柔軟性があり、環境の変化があっても前向きに考えられる人がいい」

 ――学生を見る時には、どこに注目するか

 「その人のヒストリーを聞きます。さかのぼって話を聞くことが重要です。学生が準備してきたものだけでなく、その話の周辺も聞かせてもらいます。そうすると、色々感じ取れます。もちろん、みんな用意周到に準備してくる。面接が始まると、レコーダーのスイッチを押すかのように話が始まる。でも、正直言って、親和感がないし、面白くない。もっと普通に、フランクに話してほしい。緊張しても、途中で詰まっても構わない。もし、準備してきたことを話しきることが目的となっているようなら、それは違う」

 ――ほかに学生に求めるポイントとは

 「コミュニケーション能力です。いくら熱い思いがあっても、相手に伝わらないと意味がありません。伝える力や聞く力を含めて重要です。でもそれは、難しく考えないでほしい。『おしゃべりする能力』でいいのです。普通に話して下さいということです。『どうして面接になったら、そんな変な言葉を話すの?』とこちらが思う学生もいる。だけどそんな学生でも、面接が終わって、帰りのエレベーターまでおくる間のちょっとした会話に、素が出て、『実はいいやつじゃないか! ○をあげてもいいかな』と思うケースがある」

 ――もう一つ、求める資質をあげるとすれば?

「やっぱり『明るさ』です。仕事に前向きに取り組んでいけそうな学生です。考えにカゲがない」

■大学名は重視する?

 ――金融機関で働くことの厳しさを、学生に説明するか

「面接の中で、きつさ、厳しさはちゃんと伝えるようにしています。グローバル時代といっても、みな海外に行けるわけではないし、いきなり大企業を担当するものでもない。下積みがあると教えます。そこでミスマッチはしたくないのです」

 ――採用で、大学名を重視する傾向は残っているか

 「正直にいうと残っています。社内に先輩がいることもあり、『この大学はこれぐらいの採用数はいきたいよね』というのはあります。でも今は、サークルやゼミの名簿が作られないことが多く、学生にアクセスするのは難しい。結局、会社説明などのセミナーでエントリーシート(ES)を出してもらい、そこから地道にやるしかない。具体的にはセミナーで、大学OBの若手社員がキャリアなどを語り、学生にイメージを持ってもらう。結構、細かいセッションをしています」

 ――体育会系の学生はどうか

 「分かりやすくさっぱりしている人が多い印象。理不尽さに耐えられるベースはあるし、スカッとしている。打ち込んできたものがあるので自信もにじむ。一方で、あまり準備せず『素』で来る学生も少なくない。『僕はこれだけですから、以上』みたいな(笑)。でも、話を引き出すと、色々やっている学生もいて、準備しすぎないところが、かえって好感につながる場合もあります」

 ――文化系は工夫しないといけませんか

 「例えば、アルバイトで頑張ってきたなら、それは運動部の活動とイコールだと思います。アルバイトや授業を一生懸命にやってきただけではダメだと思っている学生がいるかもしれないが、それはない。成し遂げたり打ち込んだりしたことを聞かせて欲しい」

 ――ESですが、埋まっていないと駄目ですか

 「あまり気にしない。余白が多くても書いていることが真実ならいい。1文字だけとかはもちろんダメ」

■インターンシップ経験は有利?

 ――企業研究はどれぐらいまでやるべきか

 「自分がやりたいことは考えてほしい。職種の守備範囲や、やりたいこと。あと多少の深掘りでいい。部署ごとの業務の把握とか、中期経営計画を読みこなすとか、そこまでは求めません。会社の解説はしなくていい。こちらは、うちの会社でどんなことがしたいのか?ということが聞きたいのです。それと、会社の情報を覚えている、勉強してきましたというのをアピールされてもきつい」

 ――いまどきの学生気質を教えてください。

 「おとなしい。決めきれない印象があります。今は情報が氾濫(はんらん)しているので『就活かくあるべし』といった共通の傾向におさまってしまう。昔はもっと不器用というか、その人の素材そのままで面接に来たような人が結構いた。今はいったんは整ってしまう。流れるような自己PRも特徴です。就職活動が進むと、考え方やその人自身が小さくなってしまうというのもある。就活解禁直後には無邪気にガンガン質問してきた学生が、選考が近づくと、みんなと同じになっていってしまう。そのままの素材でいいのです」

 ――インターンシップについて

 「こちらが掲げているのは就業体験。数日間で会社はどんなことをしているのか、どんな人が働いているかを知ってもらう狙いです。お客様に対して、色々調べた上での経営提案をバーチャルだがしてもらう。金融機関の考え方、マインドも知ってもらう」

 ――インターンシップ経験の有無で就職活動が有利になりますか

 「会社への理解が深まるので有利になるかもしれないが、逆にインターンシップに参加した学生のことはこっちもよく見る。『彼は3日目から存在感が薄くなったぞ』というように。でも、学生本人がそれを反省して、採用面接に良い顔つきできた時はうれしい。例えば、『同じチームに優秀な仲間がいて、その時はシュンとなったが、これではいけないと思い自分を奮起させた』といった話があると、こちらも本当にうれしいですね」(内海智裕、吉村真吾)

■採用したくなる三つの資質

・「環境の変化」に強い学生

・「コミュニケーション能力」のある学生

・前向きで「明るい」学生